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大学病院の形成外科の先生たちと研究をしていて分かったのだが、頬を塗っていく斜め方向のラインが、筋肉の付き方と一致していたのだ。
この筋肉の付き方のラインは、手術でメスを入れるとき、このラインに沿って入れると、最も傷が残りにくいラインとされているものだ。
そして、皮膚に一番緊張のかからないリラックスできるラインでもある。
Kメイクは、ファンデーションの塗り方一つで、化粧崩れしにくく、顔が上がって見えるように仕上がる。
これには何か理由があるはずなのに、それを見つけることができないでいたが、これでやっと説明がついた。
リハビリメイクの位置づけを確立するためにも、ぜひとも必要だった医学的な裏づけが、一つできたのである。
また、血流に沿って塗ることで、血行をよくすることができる。
これまで美容の世界では、マッサージするにも下から上のリンパの方向を重視していた。
しかし、静脈に血をスムーズに流すように上から下にマッサージするべきなのだ。
この流れこそが、ファンデーションの塗り方の方向性と一致したのだ。
私が疑問に思っていたことが、アッという間に解決された。
これもお医者さんたちとの連携で得た、大切な知識だった。
N先生のホスピスの治療は、在宅治療が基本だ。
N先生は、「治療なんて言えないの。
ただ一緒にいて、お茶飲み話の相手をするだけだから」と謙遜する。
もちろん、必要に応じて点滴をしたり、痛み止めを処方したりもするが、患者さんが最後の最後まで心地よく生き通せるように、その状態を整えてあげるのである。
末期癌は痛みを伴うので、痛みを取る処置をするのだが、いちいち医者が痛み止めの注射を打つのではない。
最近では、本人に負担なく皮下に継続的に薬液が注入できる機械が普及しているのだそうだ。
だから、末期癌の患者さんとは思えないほど、活動的な人が多く、亡くなる直前まで畑仕事をしていたおじいちゃんがいたり、きちんとメイクをしているおばあちゃんがいたりする。
先生曰く「痛み止めも大切ですが、メイクをしてあげたほうがよほど喜ばれる」のだそうだ。
一般の病院に入院していると、患者さんはベッドの上に寝たきり状態で、点滴やら酸素吸入やら排尿用の管を通されたりで、まさに管で縛られた状態になる。
いわゆる延命処置なのだが、患者にとっては決して気分のよいものではない。
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